エッセイ

エッセイ

初秋の畠山美術館で植物観察|キキョウと緑の実をめぐる茶の湯の庭

2026年8月28日、畠山美術館を訪れました。この日に見たかったのは、「茶の道具と銘をめぐる物語」の展示。茶の湯で使われる茶碗や茶入などには、それぞれに銘がつけられているものがあります。その名前に込められた物語や、そこから広がる世界を見てみ...
エッセイ

ツユクサを見つけて、夏の終わりを感じた|「月草」と呼ばれた青い花

ここ数年、私は8月の中旬以降にツユクサが旺盛なのを目にする機会が多く、色だけで真夏のイメージだったツユクサの意味合いが変わった。なぜか「夏の終わり」を感じます。まだ暑さは残っている。夏が終わったわけでもない。それなのに、この青い花を見ると、...
エッセイ

植物を見に行く旅|植物から、その土地のことを知る

旅先で、植物を見る旅行に行くと、観光地を見たり、おいしいものを食べたり、その土地の歴史を知ったりします。私も神社やお寺、城跡など、歴史のある場所を訪れることが多いのですが、最近はそこにもう一つ楽しみが加わりました。その土地では、どんな植物が...
エッセイ

『二百十日』を読んで気づいた、植物で季節を読む感覚|夏目漱石と阿蘇の秋

私ごとだが、2026年は夏目漱石の本を読むことを目標にしている。その中で読んだ『二百十日』は、熊本県阿蘇を舞台にした作品だ。読んでいて、自分自身の変化に驚いたことがある。以前の自分は、小説に植物の名前が出てきても、ほとんど読み流していた。け...
エッセイ

2026年4月❘松江・出雲の植物観察|不昧公の茶と古事記に触れる旅

旅先で植物を見るとき、その土地の「手つき」が見えてくる。2026年4月、松江市と出雲市を歩いた。神話の舞台として語られることの多い土地だが、実際に目に入ってくるのは、むしろ人の手が長く関わってきた植物の風景だった。まず印象に残ったのは、松の...
エッセイ

桜は満開、ツツジはまだ——日比谷公園で見た春の時間差

春は、一斉に訪れるものだと思っていた。桜が咲けば春で、ツツジが咲けばさらに春が深まる。そういう、段階的でありながらも、どこか連続したイメージを持っていた。けれど、実際の公園を歩いてみると、その認識は簡単に崩れる。2026年3月末、日比谷公園...
エッセイ

なぜ目の前の桜に気づかなかったのか

オフィスの前に、大きな桜の木がありました。自動ドアを出ると真正面、10メートルほど先。視界にしっかり入る場所に、立派なソメイヨシノが毎年咲いていたはずです。それでも、10年前の私は、その桜をほとんど認識していませんでした。思い出せるのは、年...