奥日光から日光市街地へ
奥日光で植物を見た翌日は、日光東照宮へ。2泊3日の旅の最終日は、前日までとは少し違う場所を歩きました。
龍頭の滝から赤沼、小田代原、戦場ヶ原と歩いてきた奥日光は、涼しい森や湿原の中を歩く時間が中心でした。
それに対して、日光東照宮周辺の日光市街地は暑い。奥日光の涼しさに慣れた身体には、日差しも街の華やかな色彩も少し強く感じられました。
そんな中でも、やっぱり目に入るのは植物です。
8月の日光東照宮周辺で出会った植物
この日見つけたのは、
ギボウシ、タマアジサイ、ヒバ、モッコク、コウヤマキ、スギ、キササゲ、アザミ、ダイモンジソウ。




そして金谷ホテルの前では、赤と白のヤシオも見ることができました。

奥日光とは違い、社寺や庭園、歴史ある建物の中に植物があります。自然の中で植物を見るのとは、また少し違った楽しさがあります。
8月に咲くタマアジサイ
この日、特に印象に残ったのがタマアジサイでした。なぜタマアジサイというのかは、以下の写真を見てもらえれば一目瞭然!

私はそれまで、タマアジサイという植物をちゃんと認識していませんでした。そもそもアジサイというと、梅雨の時期に咲く花というイメージがあります。
ところが、8月の日光ではタマアジサイがあちこちで見られました。「8月にもアジサイが咲くんだ」と驚いて、初めてその名前を覚えました。
そして、その後。千葉や東京・町田のキャンプ場でもタマアジサイを見つけました。
もしかすると、珍しい植物に初めて出会ったのではなく、今まで何度も見ていたのに、植物として認識していなかっただけなのかもしれません。
植物の名前を知ると、今までの景色が少し変わります。「こんなところにもいたんだ」と、過去に見ていた風景まで少し違って見えてくる。植物観察をしていて、面白いと思うことのひとつです。
小堀遠州の庭とヒバ
この日は、輪王寺の逍遥園にも立ち寄りました。
逍遥園は、江戸時代初期に作られた池泉回遊式の庭園です。
一説には、茶人・建築家・作庭家として知られる小堀遠州の作庭と伝えられています。その後も改修が重ねられていて、現在の庭園にはさまざまな時代の手が加わっています。
庭の中では、ヒバが目に入りました。

植物を見に来たからこそ気づいた木ですが、庭園という場所に植えられた木を見ると、自然の中に生えている木とはまた違った見え方をします。
どの木を残し、どこに植え、池や石とどう組み合わせるか。
庭園を見ることは、植物を見ることと同時に、昔の人が自然をどう見て、どう庭に取り入れたのかを見ることでもあるのかもしれません。
日光には、杉そのものが景観になっている
そして、日光といえばやはり杉です。
日光には「日光杉並木街道」があります。
日光街道、例幣使街道、会津西街道の3つの街道からなる杉並木で、総延長は約37km。現在も約1万2千本の杉が残っています。国の特別史跡と特別天然記念物の二重指定を受けている、日光を代表する歴史的な景観です。
杉は単に「日光に生えている木」ではありません。
江戸時代に植えられ、日光東照宮の参道として寄進され、400年にわたって守られてきたものです。2025年には植樹開始から400年を迎えました。
今回、日光でスギを見て、「日光には杉が多いな」と思うだけで終わらず、
なぜこんなに杉があるのだろう?と少し調べてみる。
すると、日光という場所が、植物だけではなく、歴史と植物が重なってできた景観なのだと分かります。
奥日光と日光市街地、それぞれの植物
今回の2泊3日の旅では、同じ「日光」でも、場所によって植物の見え方がかなり違いました。
奥日光では、シラカバやダケカンバ、ホザキシモツケなどを見ながら、森や湿原の中を歩きました。
一方、日光東照宮周辺では、杉や庭園の木々、ギボウシ、タマアジサイなど、人の暮らしや歴史の中にある植物が目に入ります。
そして、日光の景観そのものにも、植物が深く関わっています。杉並木もそうですし、逍遥園のような庭園もそうです。植物を見ながら歩いていると、観光地として見ていた場所が、少しずつ違って見えてきます。
植物を知ると、旅先の景色が増えていく
今回の日光旅行で、初めて名前を知ったタマアジサイ。
その後、千葉や東京・町田のキャンプ場近くでも見つけました。
日光で見つけた植物が、日常の景色の中にも現れてくる。
これは、植物観察を始めてから何度か経験していることです。
植物を知るということは、新しい場所へ行くことだけではなく、今まで歩いていた場所の中に、見えるものを増やしていくことなのかもしれません。
日光の2泊3日の旅も、植物を目的のひとつにして歩いてみたことで、奥日光の森から、湿原、社寺、庭園、杉並木まで、少し違った角度から見ることができました。

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