2026年2月❘北野天満宮の梅苑

庭園・公園・植物園

二月の京都。訪れたのは、北野天満宮の梅まつりである。今年は梅の写真を撮らないつもりだったが、結局、数枚だけ撮った。

北野天満宮の梅まつりとは

北野天満宮では2026年2月1日〜5月24日まで、梅苑「花の庭」が公開されている。梅の枝にかけられたインスタレーションや、自然とアートの融合を楽しむ空間も用意されている(入場は有料・夜間ライトアップあり)
梅苑「花の庭」 – 北野天満宮

1境内

国宝の本殿。2月の空の下、美しい。

この日、茶事で出された塩芳軒さんの「微笑み」の和菓子を思い出させる今にも咲きそうな蕾がお出迎えしてくれた。

2.梅苑

境内の梅苑へ入る。そこでは、写真家の蜷川実花とのコラボレーションとして、クリスタルが梅の木々に掛けられていた。光を受けてきらきらと反射する透明な粒。枝に宿る小さな人工の星のようでもある。きっと時間帯や光の角度によっては、その輝きが主役になるのだろう。

だがその日、私は茶席のあとに梅園へ向かった。まだ身体に静かな余韻が残っている。

茶席で掛かっていた軸は「一点梅花蘂 三千世界香」。一点の梅のしべから三千世界に香りが満ちる、という意である。一輪の内側へと沈んでいく言葉。その感覚を抱えたまま梅園に立つと、クリスタルの輝きはどうにも遠い。美しい。けれども今の私の視線はそこには留まらなかった。むしろ、その周囲の梅を静かに歩いて見ていた。

やがて、梅園を上から見渡せる場所に立つ。そこからの景色は圧巻だった。白と紅が織り重なり、枝が波のようにうねり、人の流れさえも一つの模様になっている。一輪の内へ沈む世界とはまるで違う。こちらは面としての梅、群れとしての梅である。香りは拡散し、視界は開き、世界は立体になる。

一点のしべから三千世界を感じる梅。そして三千の花が眼前に広がる梅。同じ花でありながら、情景はこれほど異なる。茶席の静と、梅園の圧。その両方を抱えたまま、境内を後にした。今年の梅は、一輪でもあり、群れでもあった。

最後に

この日は梅尽くしの一日だった。
私が梅を好きになった理由を思い返すと、茶道の先生だったことに気づいた。万葉集には桜よりも梅の歌が多い。そんな私の中の日本人のDNAを呼び起こしてくれる話を聞き続けたおかげであろう。

寒い中、凛と咲く様々な種類のウメ。この時期、意識すれば、身近な場所に、神社にお目見えすることが出来るはず。

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