24年4月13日(土)~5月12日(日)まで根津美術館での特別展「国宝・燕子花図屏風」で気に入った作品に描かれている植物についてまとめてみました。何の花が書かれているか答え合わせをしながらご覧いただくのも一興かと存じます。
1.四季草花図屏風 「伊年」印 (特別展での番号は10)
NEZUNET 2013/04/20|Nezu Museum (nezu-muse.or.jp)
屏風の折れ目ごとに段落を変えています。
左から、アザミ、ミヤコワスレ、ダイコン、カブ、セリ、スズメのヒエ?、ワラビ、ナズナ、ツクシ、タネグケバナ
ボタン、シラン、タンポポ、サクラソウ、スミレ、フキ
ケシ、ヒナゲシ、セキチク、キンポウゲ?、ベニバナ
ケシとヒナゲシの違いが分かりませんでした。
セキチクは、撫子に似ている花でした。
タケ、カザグルマ、シャクヤク、シュンギク、ユキノシタ、オオバコ、
タチアオイ、カキツバタ、コウホネ、ミズオオバコ
アジサイ、ササユリ、カノコユリ、ヒメユリ、ビョウヤナギ、オモダカ、ミズアオイ
モロコシ、ササゲマメ、アワ、ナス、センノウ、サトイモ、ツユクサ
トウモロコシ、ケイトウ、シュウカイドウ、フジバカマ
ススキ、ハギ、クズ、ハゲイトウ、ホオヅキ
フヨウ、オミナエシ、ナデシコ、キキョウ
キク、メガルカヤ、サルトリイバラ
ナンテン、スイセン、ツタ、リンドウ、カンギク、クマザサ、ヤブコウジ
2.燕子花図屏風 尾形光琳筆
難題。カキツバタ・アヤメ・ショウブの違いとは? | 日本の植物 (herborist-snt.com)
背面の金色と花の群青色、葉や茎の緑色のみであらわされたカキツバタの。圧巻であり、またその配置にも注目すべきであるそうです。
また、伊勢物語の九段の「八つ橋」の場面に発想源を持つと考えられるそうです。そこで出てくるカキツバタを句の上に据えて旅の心を読んだ歌が
から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞ思ふ
です。ここから、「唐衣」という和菓子も出ていますね。
さいごに
美術館に行くたびに伊勢物語にちなんだ作品は多いので、今後、深く学んでいきたいと思います。
ただ、作品をご覧になるのもいいですが、何の草花が描かれているのかがわかるとさらに充実した時間になると思います。以前の私はどの季節かも分かりませんでしたが、草花の季節が分かるだけで、その作品の表したいものが少し見えたりします。学べば学ぶほど、美術館に行くのも、散歩するのも楽しくなりますね。しみじみと日本人は草花と季節とともに生きてきたと実感します。
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