2024年6月1日から7月21日まで泉屋博古館(せんおくはくこかん)東京で行われている「歌と物語の絵」を観賞してまいりました。
和歌や物語から絵画化されたり、絵から歌を詠まれたりとインタラクティブな創造がとても素敵でした。和歌や物語にも、やまと絵にも必ず植物は関係してきます。足を運ばれる前に知っておくとより理解が深まる植物の知識をまとめました。また、展示してある三十六歌仙書画帖のうたを読み解いてみましたので、そちらも参考までに。
泉屋博古館東京とは
六本木一丁目駅の2番出口から道しるべに沿ってエスカレーターを上がると素敵な建物が見えてきます。泉屋とは住友の屋号だったそうです。
泉屋博古館東京 <六本木> | SEN-OKU HAKUKOKAN MUSEUM TOKYO
平日の12時ころに着きましたが、人はまばらで1時間程度でゆっくりとまわれました。
ただ、説明書きが小さいので、そこに人だかりが出来ていました。そこがちょっと不満。
植物と展示作品
植物が好きになって、日本の美術品を見るのが好きになりました。この絵はこの季節かなだったり、花が分かると物語のシーンも分かったりします。(有名なのは、伊勢物語の八つ橋の場面でカキツバタが出てくるなど)
現代の「菊」は仏花としてあまりいいイメージはありませんが、日本のパスポートの印が菊の御紋のように、やまと絵で見る菊は本当に美しい。そしてリアルな野に咲く菊も可憐で繊細で美しいです。そういった感性が生まれたのは、植物に興味を持ってからだと実感します。
春
サクラ:出展目録No.26 鞍馬春色図では、豪華な桜が描かれている。
夏
トロアオイ:出展目録No.14 紫式部観月図
ヤナギ:出展目録No.5 柳橋柴舟図屏風
ハス:出展目録No.25 北条時宗 (香合に描かれている)
秋
キク:出展目録No.7、No,8 出展目録No.14 紫式部観月図など多数
クズ:出展目録No.12 葛下絵扇面散屏風
冬
マツ:出展目録No.5 柳橋柴舟図屏風 、その他多数
出展目録No.3 三十六歌仙書画帖を読み解く
写真Okのこちらの作品の歌が詠めれば、さらに感慨深いのではないでしょうか。
読めるところだけを拾いながら、ググりつつ、照合してみました。参考になれば幸いです。
伊勢
みわの山いかに 待ち見む年ふともたづぬる人も あらじと思へば
ではないでしょうか。
紀友則
夕されば佐保の川原の河風に 友まどはせて千鳥なくなり
藤原朝忠
逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし (百人一首 44)
源重之
吉野山峯のしら雪いつ消えてけさは霞のたちかはるらん
最後に
いかがでしたでしょうか。植物を知れば、日本の美術品をより深く楽しく学べますね。また、日本語なのに読めない草書?行書?をすらすらと読んでみたいものです。ググるのも大変でした。
万が一、間違いがあればコメントいただければ幸いです。
良い、美術&植物観賞時間を。
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