春から継続して訪れている品川シーズンテラスと芝浦中央公園。
4月には桜や新緑を楽しみ(👉 4月の記事はこちら)、7月には夏の花々に出会いました(👉 7月の記事はこちら)。
そして9月。初秋の訪れを感じさせる植物たちを観察できました。
9月の品川シーズンテラスと芝浦中央公園で見かけた植物たち
9月に入り、夏の名残と秋の気配が混じりあう季節。品川シーズンテラス周辺では、以下のような植物たちを観察することができました。
- ヒメガマ — 縁の湿地や水辺近くで、丈低く水面を覆うように生えていました。種子と綿状の毛が風に揺れる様子が印象的でした。
- シロバナタデ — 小さな白いタデの花が群れ、夕方になると淡く光を受けて浮かび上がるような雰囲気。
- 吾亦紅(ワレモコウ) — 暗紅色の花穂を伸ばし、風に揺れる姿が秋らしさを感じさせます。「Great Burnet」の名の通り、草地の彩りとして存在感がありました。
- Thalia dealbata — 大きな葉が目立ち、水辺の縁で力強く葉を広げていました(和名「ギボウシモドキ」などで扱われることもあります)。
- イヌシデ(木の種子や葉) — 雑木林の縁で、小さな実や種子を見かけました。幹肌の質感や葉の鋸歯が近くでよく分かります。
- ヤブラン — 常緑の葉が地面を覆い、小さな紫の実や花の痕もちらほら。控えめだけど落ち着いた存在感。
- 芙蓉(フヨウ) — 朝の光を浴びて大きな花を開いており、花弁の色や形がひときわ目立っていました。
- シモクレンの蕾 — 来春開花に備えて、幹や枝先に膨らんだ蕾が確認できました。静かな生命力を感じる時期です。
- サルスベリ — 夏から秋にかけて咲き続ける花。9月でもまだ紅紫色の花が残っていて、通り沿いに彩りを添えていました。
- ザクロの実 — 鮮やかな果実が木にぶら下がり、熟しはじめたものも。割れ目が見えるものもあり、近づいて観察できる場所もありました。
- ネムノキの花 — 穂のように細かく分かれた花が夕暮れ時によく映え、甘く優しい香りを感じました。
- シマネトリコの実? — 小さな実がついていましたが、葉や枝のスタイルから「シマネトリコ」のようにも見受けられます。確認中です。
9月の植物観察で感じたこと
この時期は、まだ花が残っているものと、実を結び始めるものとの“縁の季節”です。特にザクロやネムノキ、ヤブランなどは果実・種子を通じて次の季節への準備をしているのが分かり、植物の一生のサイクルを身近に感じます。
また、花の形や色も秋を感じさせるものが多く、例えば吾亦紅の穂状の形、サルスベリの残り花、ヒメガマの種子の様子など、小さな細部が美しく、よく観察すると意外な発見がたくさんあります。
場所ごとの印象
シーズンテラスの水辺近くは湿度が少しあり、ヒメガマや Thalia dealbata の葉が特に生き生きしていました。通り沿い・街路樹周辺ではサルスベリやザクロ、ネムノキが“街の実り”を感じさせ、歩く楽しみを増してくれます。
なお、シモクレンの蕾などは、来春の準備がもう始まっている証。この時期にしか見られない植物の姿が、観察の醍醐味です。
次回に期待したいこと
- シマネトリコの実の正確な確認(写真と葉の様子を比べて)
- ザクロの裂けた実や種子の観察
- 秋の虫との関わり(実や花に来る蜂・蝶など)
- 日没時の草の影の表情や葉の透け感
9月の品川シーズンテラスは、秋の始まりを感じさせる植物たちで豊かでした。みなさんもこの季節ならではの植物観察をぜひ歩いて楽しんでみてください。
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