晩春のこの頃、千葉県の国立歴史民俗博物館に行って参りました。真剣に見学すると1日では足りませんし、植物苑にも寄ると1/3の博物館を丸一日楽しめました。 GWに足を運んでみられてはいかがでしょうか。
国立歴史民俗博物館について
**国立歴史民俗博物館(通称:歴博)**は、千葉県佐倉市にある日本最大級の歴史系博物館です。1983年(昭和58年)に開館し、日本の歴史・文化・暮らしを多角的に学べる施設として親しまれています。
基本情報
所在地:千葉県佐倉市城内町117
アクセス:京成佐倉駅から徒歩約15分/JR佐倉駅からバス利用
開館時間:9:30〜16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
入館料:大人600円、大学生250円、高校生以下無料(植物苑は無料)
公式サイト:https://www.rekihaku.ac.jp/
子連れにいい点
①事前予習できるサイトもありますし、子供用のパンフレットがり、とても工夫されています。
各章ごとに見つけてもらいたい展示が写真に載っており、それを見つけていくようなワークで、4歳でひらがなしか読めなくても楽しめました。(1時間ほどで飽きましたが・・・子供の特性によります。)
②飽きたら、植物苑や公園が併設されているのですぐに外で遊べること。
③寺子屋や子供ルームなど、双六や幹事クイズ、パズルや塗り絵など実際手を動かして楽しめるものも充実しています。
博物館と植物苑で学べたこと
昔の人は何をどうやって食べていた?
植物苑で実物を見てみよう
オニグルミ
今は花の時期でした。大きい毛虫みたいです。
8月~9月ころには実がなります。

8月 新宿御苑にて観察
ミズキ
最近よく観察しているので、ここでは取り損ねました。4月後半にどこかで撮ったミズキの花です。

4月観察
葉が出てくるとなかなか枝付きが分かりにくいですが、だいたい大きく3本ずつ枝がついていきます。見慣れると、すぐにミズキだと判定できます。

2月 新宿御苑のミズキ
ノビル
オオムギ・コムギ
本当にオオムギは大きいな・・・というしごく当たり前のことを実感できます。
柑橘類 ウンシュウミカン、タチバナ、クネンボ
もうすぐで白い花が見られそうですね。
カラタチもありましたが、蕾は見つけられませんでした。
カラタチの花が咲いたよのうたにはまだ遠いようです。
植物苑で確認できた66種
Chat-GPTに分類してもらい、表を作成しました。実際は66種以上見られますし、以下の表とは違う分類で植えられています。食べる・染める・治す・道具を作る・塗る・燃やす・織る・漉くと水辺の植物の分類です。
分類カテゴリ | 植物名 | 民俗的利用・備考 |
---|---|---|
食用 | ウンシュウミカン、マメガキ、クネンボ、ビワ、ザクロ、サンザシ、ノビル、モミジイチゴ、オニグルミ、クワ、ヤマグワ、ナツグミ、ミョウガ、ムベ、トチノキ、モモ、オオムギ、コムギ、サンショウ | 実の生食・乾燥・加工。トチはアク抜きで餅・粉、ムベ・ナツグミは山の果実、ミョウガ・サンショウは香味野菜。 |
薬用・養生 | クコ、ビワ、カリン、サンザシ、イイギリ、アブラチャン、シロダモ、ニシキギ、トチュウ、ミヤマガマズミ、ムラサキ、アマドコロ | ビワ葉・クコ実=薬湯や煎じ、トチュウ=強壮、ムラサキ=紫根染めと皮膚薬、アマドコロ=滋養。 |
信仰・儀礼・縁起 | ウメ、カラタチバナ、サトザクラ、ショウゲツ、ナラガシワ、ツバキ(紅獅子・ナイトライダー)、ヒトツバタゴ、ボタン、シャクヤク、サクラソウ、サンショウ、モモ、コブシ、ナナカマド | サクラ・ウメ=結界、モモ=節供(桃の節句)、サンショウ=鬼除け、ナラガシワ=神饌器、ヒトツバタゴ=神木扱い。 |
生活の道具・材料 | キリ、クヌギ、ミズメ、カマツカ、ニッケイ、ヤマウルシ、ウルシ、サイカチ、ケンポナシ、カラムシ、アオハダ、ハルニレ、カツラ、イ、コリヤナギ、ユリノキ、アオギリ、トチュウ | キリ=家具、ウルシ=塗料、カラムシ=布織(苧麻)、アオハダ=杖材、サイカチ=洗剤、ハルニレ=農具材。 |
観賞・園芸・遊び | オオデマリ、ハクチョウゲ、ベニバナトキワマンサク、ヒュウガミズキ、シラン、オオバギボウシ、クルメツツジ、シャクナゲ、キエビネ、ヤマモモ、ナツロウバイ | 庭園、盆栽、花遊びに使われる。シャクナゲ・キエビネは山野草文化とも関係。 |
分類中・用途不詳 | コクサギ、カラタチ、アカメモチ、ハトヤバラ、カイノキ、ニワトコ、ミョウガ(信仰・食両方)、ムベ(信仰説あり) | 一部は用途が地域限定(例:ニワトコ=神事用、カイノキ=薬用説あり)で、複数用途あり。 |
観察できた花
まとめ|植物から歴史が見えてくる
博物館の展示室で学んだ歴史が、外に出て植物たちと出会うことで、もう一歩深く心に染み渡ってくる。
それが、国立歴史民俗博物館の「植物園」の魅力です。
ふだん何気なく見ている草木にも、かつての暮らしの記憶が宿っています。
歴史を学び、植物と向き合いながら、自分の暮らしを見つめ直す。
そんな時間を、佐倉で過ごしてみませんか?
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