三十二候 蓮始開| 7月の蓮を見に行こう

庭園・公園・植物園

梅雨明けのころ、水辺に広がる蓮池。早朝、静かに咲くハスの花を見に行きたくなる季節がやってきました。2025年7月12日は三十二候の「ハス始めて開く」です。
この記事では、ハスの特徴や観察スポット、和歌とのつながりまで、7月に楽しめる「蓮」の魅力をご紹介します。


ハスの特徴と魅力

  • スイレンとの違い:スイレン(1枚目)は水面に浮かび、ハス(2枚目)は茎が水面から立ち上がります。
    また、スイレンの葉は円で切れ込みがあります。以下の写真を見ていただければ一目瞭然ですね。
       

  • 咲く時間:早朝に開花し、午後には閉じる。開閉を3日間繰り返す。

  • 葉の美しさ:撥水性があり、水玉が転がる「ロータス効果」が見られる。

  • ハスの種子:「大賀ハス」など、数千年前の種子から発芽した事例も。
    24年4月に行った吉野ケ里遺跡では開花には早かったです。6月~8月まで長く楽しめるようです。

おすすめのハス観察スポット

  • 千葉公園(千葉県):大賀ハスで有名。見頃は6月下旬~7月中旬。早朝の来園がおすすめ。

  • 不忍池(東京都・上野):都心で楽しめる蓮の名所。ボートと一緒に撮影も。

  • 古代蓮の里(埼玉県・行田市):2000年前の種から復元された「古代蓮」が圧巻。

  • 新宿御苑(東京都・新宿):面積は狭いですが、しっかりと観察できます。
  • 所沢航空記念公園(埼玉県・所沢):茶室「彩翔亭」の前の庭園で見られます。6月末~

蓮と和歌・仏教文化

ハスは、古来より仏教や文学と深いつながりを持つ花です。

  • 仏教では極楽浄土に咲く花とされ、清らかさや再生を象徴します。また、泥の中から清浄な花を咲かせるハスは、煩悩の沼の中から悟りを開くことのたとえとされています。
    私の手持ちの写真では、ミニチュアの聖林寺の十一面観音・東博で見た模造の観音菩薩像の台、国宝の十六羅漢像(第二尊者)の左下にハスが見られました。

  • 『万葉集』『古今和歌集』『拾遺和歌集』『源氏物語』『枕草子』などにも「蓮」はしばしば登場します。

ひとたびも 南無阿弥陀仏と いふ人の 蓮(はちす)の上に のぼらぬはなし

ー空也上人


写真で楽しむ蓮の姿

蓮は、写真映えする被写体としても人気です。撮影のポイントは:

  • 開花のタイミングは朝6時~8時頃がベスト。

  • 葉に宿る水玉や、つぼみ・実(ハチス)の形も魅力的。

  • 背景に寺院や池を取り入れると、風情ある写真に。

撮影時は日差しや水辺の反射にも注意しましょう。


ハスと食文化の話題も少しだけ

  • 蓮根(レンコン):ハスの地下茎で、冬の食材としておなじみ。

  • ハス茶・蓮の葉料理:ベトナムや中国で親しまれる伝統料理やお茶。

  • 観賞用と食用の違い:品種は異なるが、どちらも古くから大切にされている。


まとめ|蓮の花に会いに行こう

静寂の中で咲くハスの花は、心を整えてくれる夏の風物詩。
早朝の涼やかな時間に、ぜひ蓮池を訪れてみてください。
自然と向き合うひとときが、日々の忙しさから離れるきっかけになります。

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