2024年の大河ドラマ「光る君へ」をご覧の皆様、源氏物語を読んでみたいと思われているのではないのでしょうか。私もそう思いつつ、すでに3か月以上経過しております。そこで、自分が大好きな植物の視点から源氏物語をのぞいてみようと思います。
源氏物語に登場回数が多い植物は?
タイトルにもあるように「松」です。源氏物語には110種の植物が描かれている中で、60回と最多とのことです。(1209796409674.pdf (pref.kyoto.jp))
平安時代、松はどう扱われていた?
古く『万葉集』でも
茂岡に 神さび立ちて栄たる 千代松の木の 歳の知らなく
と、神聖な木として詠われています。
つまり、平安時代の前から長く常緑を保つことから縁起の植物とされてきました。
源氏物語にはどのように登場するの?
二十三帖『初音』では、小松引き*に興じる明石の姫君の元に、会うことがかなわない母親から五葉松に絡めて届く歌が
年月を 松にひかれて経る人に 今日鶯の 初音聞かせよ
これに対して姫君は
ひき別れ 歳は経れども鶯の 巣立ちし松の 根を忘れめや
子の日の小松引きといわれた遊びがあり、松を根こそぎ引き抜き、小松の根の長さにより長寿を願う行事の「初子」と鶯の「初音」をかけた歌などがあります。
なかなか、当時の文化を知らないとどこがかかっているかもわからないですね。
(おまけ)松のカワイイお花
今、4月はカワイイ松のお花のお目見え時期です。
是非近くにある松のお花を見つけてみてください。
いかがでしたでしょうか。源氏物語を「松」で切り取ってみました。
近所にある松を愛でながら、平安の時代に思いを馳せるもよし、『初音』だけ読むのもよし。
この記事を読んで、何かちょっとでも外の世界が楽しくなれば幸いです。
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