こんにちは。
アオ・・という樹木が混乱することはありませんか。
私だけかもしれませんが、いろんな角度で、アオキ・アオギリ・アオハダ・アオダモについてまとめてみました。
ミドリなのにアオと表現するのはなぜ?
日本では、青信号・青りんご・青のりなど、どう見ても緑なのに青とつくものが多いですよね。
古来日本では瑞々しいものを「青」で表現していたからともいわれています。
また、以下のように面白い記載もありました。
なぜ、緑色を独立した色相としてとらえることがないほど、緑に関する関心が薄かったかというと、この色(緑)は自然界にはたくさん見出すことのできる色であるが、染料や顔料でこの色を作り出すことが難しかったためではないかと思われる。緑色の染料がなかったので、藍染料と黄染料を混色して作り出さなくてはならず、顔料も孔雀石や緑青、海緑石などごく限られた鉱物からしか採取することが出来なかったのである。
『日本の色のルーツを探して』 城 一夫
そんな中、樹木の名前も「青」じゃなくて「緑」だろうと思われるものばかりで、まずはその色で困惑してしまう樹木たちをまとめてしました。
アオキ、アオギリ、アオハダ
アオキ
常緑樹として、江戸時代から重宝されていたとのこと。冬になる赤い実もアクセントとなり、昔から人々に好まれていた理由が分かります。
右の写真はアオキの花で、11月以降の寒い時期に見られます。
アオギリ
こちらも葉が大きく、近くにあれば気になる樹木ではないでしょうか。
葉が3~5つに分裂しており、三大美幹木とされています。(他はヒメシャラ・シラカバ)
特に若い幹は竹のように緑で美しいです。
実が面白いんですよね。
*キリ。実際は花が出ているときはほぼ葉は出ていない。確かに葉は似ているが、分裂していないものもある。
唐の詩人・白居易の『長恨歌』
梧桐(アオギリ)の落葉について白居易もうたっていたんですね。
太液芙蓉未央柳
芙蓉如面柳如眉
对此如何不泪垂
春风桃李花开日
秋雨梧桐叶落时
アオハダ
5月には、緑の小さな実がたくさんつき、落ちていました。柄が短いため、枝に実がそのままついているようでした。アオハダというのに、幹は特に青でも緑でもありません。ただ、皮をはぐと青肌(緑)を見ることができるそうです。
9~10月には、実が赤く熟し、ツキノワグマが好むとのこと。
葉は透けて黄緑色で美しいです。
アオダモ
シマネトリコに似ていますが、落葉で、花や実が少し違います。
大手町周辺や日本橋のビルの樹木としてよく見られます。
右の写真は実ですが、花も似ている気がします。
最後に
どこも「アオ」じゃないし、「アオハダ」はパッと見、樹皮は「アオ」でも「緑」でもないし、何なら、アオギリの方が、アオハダじゃないかと思ってしまい混乱してしまいます。
一つずつ紐解いていくと、いろいろな特徴や背景が分かり、納得できる部分もありますね。
そして、紛らわしいものは他にもあります。今年の冬は、モチノキ・カナメモチ・ネズミモチ・トウネズミモチなどの違いが分かるようになりたいです。
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