こんにちは。
春の七草は食べるもので、秋の七草は目を喜ばせるものだと勝手に解釈しております。
もう秋の気配が感じられますね。
今年の「秋」をしっかり楽しむために、秋の七草についてそれぞれ解説しております。
是非、目を通していただき、身近な秋の七草スポットを見つけてみてください。
山上憶良の秋の七草
貧窮問答歌をつくった奈良時代初期の歌人、山上憶良のうた。
秋の野に 吹きたる花を 指折り(およびをり)かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
萩の花 尾花葛花(くずはな) なでしこの花 おみなえし また 藤袴(ふじばかま) 朝顔の花
1000年以上も引き継がれるのは、日本人の感性に刺さるものがあるのでしょう。
かくいう私も、秋の七草など地味な花に興味はありませんでしたが、茶道を通して、床の間に飾られる楚々とした花、残暑の中の景色にあう花、少し寒くなり日が沈むのが早くなった日の花として違和感なくあるその様にぎゅーーーーーっと心を掴まれました。
「御法」紫上を見舞う明石中宮と光源氏では、秋の七草のハギ、女郎花、ススキが描かれ、もの悲しさも演出しているように思いました。なぜか惹かれるんですよねぇ。
1.ハギ
2.尾花= ススキ
ススキはこれからですねぇ。1枚目はススキのあかちゃんといったところ。一直線に出てきて穂の部分が分かれていくんですね。ススキは時期によって顔を変えますが、この咲き始め?といったらいいんでしょうか、まだほわほわ綿毛が飛ぶ前の感じもスマートで好きです。
清少納言も紫式部もそれぞれの作品の中でススキを出しています。当時は今以上に植物があったことと思いますが、それでもススキは惹きつける何かがあったのでしょう。
3.クズ
クズのお花は今年こそは写真に収めて、更新します。
こちらは、初夏の葛の葉っぱ。3羽のクローバーのようで可愛いですね。1枚の葉は女性の手のひらサイズくらいです。
吉野葛などで有名な「クズ」はこの根っこを使ったものです。
厄介な雑草として扱われ、古びた建物やフェンスに覆いかぶさるようにして生息しているのをよく見かけます。よくよく見ていただければ、赤紫の美しい花を咲かせていることでしょう。
4.ナデシコ
「大和撫子」という単語があまり好きではないのですが、実際カワラナデシコを見ると繊細で美しいのでイメージが変わってしまいました。
源氏物語の「常夏」は、
撫子の とこなつかしき色を見ば もとの垣根を 人やたずねむ の歌により、
そのなかで玉鬘が
山がつの 垣ほに生ひし 撫子の もとの根ざしを 誰れか尋ねむ
と詠んでいます。壮大な言葉遊びというか、なんというか。
スマホばかりしている私にはできない芸当です。
5.オミナエシ
女郎花も漢字が好ましくないと思っておりましたが、見れば見るほど楚々として、明るい黄色の花を咲かせる様が、秋の山々とマッチして、また考えが変わり大好きになりました。
春の花の菜の花とは違うんですよねぇ。オミナエシ自身が違うのか、それとも背景のその周りの草木が違うのか・・・こう考えていくと楽しいものです。
6.フジバカマ
フジバカマ、ヒヨドリバナ、その他似たような花がありすぎて、ネットで違いを見てもなかなか分かりかねます。
7.キキョウ
浴衣などに書かれているキキョウが好きだったので夏の花だと思っていたのですが、地球温暖化によって咲く時期など少し変わってきたのかもしれませんね。
秋の七草ベストスポットは?
- 向島百花園
- 東御苑
- 神代植物園
最後に
いかがでしたでしょうか。
秋の七草は、現代ではなかなか身近にない植物ばかりですよね。
管理された場所以外で見つけたら、これ以上に幸せなことはないですね。
少しずつ涼しくなってきましたので、植物観察を楽しみましょう!
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