NEWoMan高輪の植物空間を歩く

植物×芸術

🌆 夜の緑を歩く ― NEWoMan高輪

NEWoMan高輪の18・19階に潜入してきました。
夜の時間帯に足を踏み入れると、そこはまるで“屋内の森”のようでした。

照明は抑えられ、木々の影が壁に柔らかく映り、
植物名を知るよりも先に、その空気の深さを感じる空間。びっくりするほどのマイナスイオンでした。

  

🌿 植物が「構造」として存在するインテリア

このフロアの植栽は、単なる装飾ではなく、建築の一部として組み込まれていました。

大型の観葉樹や中木が柱のように空間を区切り、まるで木々が建物を支えているようにも見えます。

外気に触れる麻布台ヒルズの緑が“都市の森”だとすれば、ここは建物の森
屋内の気候の中で生きる植物たちが、都市の夜に穏やかな呼吸を与えていました。

ベンチも様々な形のものが用意されており、特に材質が木の物が多く見られました。
畳スペースには座れ、遠くからでもイグサの香りがしました。
また、トイレの洗面台は石でできており、それぞれ異なる形のものでした。

🌸 香りと音 ― 五感で感じる空間デザイン

もうひとつ印象的だったのが、香りと音の演出です。
館内にはアロマショップや香水の専門店が多く、通路を歩くだけでほのかな香りが漂います。

その香りが植栽の緑と混ざり合い、“植物園ではないのに植物を感じる”空間をつくっていました。

そして耳を澄ますと、流れているのはBGMではなく自然音
水の音、風の音、虫の声のようなサウンドが、視覚的な緑と呼応していました。

香りと音まで含めて、まさに五感で設計された植物空間
これは他の商業施設とは明らかに異なる点でした。

🏙 麻布台ヒルズとの比較 ― 外の森、内の森

観点 麻布台ヒルズ 高輪ゲートウェイ・ニューマン
主な植栽空間 屋外の広場・屋上 屋内のロビー・ラウンジ
植物の役割 街と自然をつなぐ「外庭」 建築と人をつなぐ「内なる森」
印象 都市に“森”を持ち込む試み 建築に“自然の温度”を宿す試み

どちらも「都市と自然をどう共存させるか」という問いの中で、異なるアプローチをとっています。

🌌 名前を知らなくても感じる、植物の存在

夜の室内では、葉の質感や影の形が際立ちます。
名前のわからない植物たちも、光と香りと音の中で確かな存在を放っていました。

「都市の緑」は、ただの景観ではなく、
人の感覚をひらく装置なのかもしれません。

麻布台ヒルズが“外の自然”を取り込んだとすれば、ニューマンは“内なる自然”を呼び覚ます場所でした。

🌿 結び ― 都市の中の“静かな森”へ

夜にだけ現れる静かな森。
その森はビルの中にありながら、確かに自然とつながっていました。

香り、音、緑。
そのすべてが調和する瞬間、
都市の時間が少しだけゆるやかに流れた気がします。

過去の都市の緑シリーズとして、麻布台ヒルズの記事もあわせてどうぞ。

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