6月に探したい植物 2025ver

毎月の植物

6月。雨が降り続く日々の中にも、植物たちは静かに美しさを湛えています。
庭園や山歩きの合間に見つけたい6つの植物を、古典文学の情景とともにご紹介します。
2025年ならではの初夏の自然を、ゆっくりと味わってみませんか?


シモツケ|紅の粒が咲き集まる小さな灌木

小さな花が集まり、まるで紅色の霧のように広がるシモツケ。

古くから庭園に植えられてきた落葉低木。可憐ながらも力強い存在感を持ちます。低山帯から公園、神社の境内などでもよく見られます。


タイサンボク|芳香を漂わせる大きな白い花

詳細は『タイサンボクとホオノキ』の記事へ

観察場所:新宿御苑、皇居など。最近はビルの植木によく見られます。


ネムノキ|夜に眠る葉と淡紅色の花

葉が夜に閉じる神秘的な木。「眠りの木」とも。

 

淡いピンクの花が絹糸のように揺れるネムノキ。高木のため、なかなか枝に付く花は観察しにくいかもしれません。1枚目の写真は赤坂のフォーシーズンガーデンで階段の上から撮影したものです。

昼は咲き 夜は恋ひ寝る 合歓木の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ
『万葉集』 紀女郎(きのいらつめ)


ザクロ|艶やかに咲く、実りの前触れ

強い日差しの中、目を引く朱の花が咲き、実になります。

  

庭木として親しまれるザクロは、6月に朱色の花を咲かせます。24年の大河「光る君へ」でロバート秋山さんが演じていた藤原実資が顔のはれ物にザクロの皮を使って良くなったという話があります。真偽は不明ですが、抗酸化作用があることは間違いないようです。秋の実の印象が強いですが、花もまた格別の美しさです。

観察場所:品川シーズンテラス、日比谷公園、新宿御苑、武蔵丘陵森林公園


モッコク|常緑の深緑に咲く白い小花

 日本の伝統庭園に欠かせない「庭の王」。

常緑で姿の整ったモッコクは、古来より格式ある庭園や武家屋敷に植えられてきました。6月には小さな白い花を咲かせ、ほのかに香ります。

(参考)秋にはたわわに実らせます。


ナンテン|吉兆の木に咲く、控えめな白い花

 冬の実が印象的だが、初夏の花も美しい。


「難を転ずる」に通じることから、縁起物として扱われるナンテン。6月には白い小花を房状に咲かせ、控えめながら涼やかです。庭や寺社で静かに咲く姿に、心をととのえる人も多いでしょう。

(参考)冬の実

新宿御苑 ナンテン 11月 新宿御苑 ナンテン 11月


まとめ|雨の季節こそ、植物との出会いを

6月は雨が多い季節ですので、しっとりとした空気の中でこそ見つけられる美しさがあります。
ぜひお気に入りの植物を探しに、近くの庭園や神社、公園を散歩してみてください。

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