実りの”秋”だけじゃない初夏の実4選(食べられる)

毎月の植物

実がなるのは「実りの秋」だけではないのをご存じでしょうか。初夏(5~6月)にも美味しい実がなる樹木を4選ご紹介します。今回は舌を楽しませてくれる情報です。探索がてら手に取って自己責任で食べてみるのもありかも?私はヤマグワにはまりました。そして、「食べられる実」だと判断したら、どんな花が咲くのかな?冬をどう越すのかなど毎日観察して目でも楽しんでください。

ウメ
1~2月に甘美な花を咲かせる梅。と同時に、梅干しにもなります。梅林に行って、実がなっているか見てみるのも梅見の醍醐味?

피어나네によるPixabayからの画像

今から6000年前から中国ではウメが生活と深く関わり合いがあったことが証明されたわけである。古代日本では中国から烏梅(うばい)として輸入されていた。烏梅は薬用として、熱さまし、咳止め等重要な役割を果たしてきた。奈良『正倉院』には当時の烏梅が納められている。
 ウメが弥生時代に渡来してきた当時の利用価値は、その果実のすっぱさにあったようだ。ウメの花が観賞されるようになった白鳳時代から万葉時代、当時の宮廷の貴族たちが風邪をひいたときに烏梅に熱湯を入れて飲んで治したのではないかと推察される。

『ウメの品種図鑑』より

 

ヤマモモ
公園や街路樹に植えられ、また果樹としても栽培されます。4月頃に花を咲かせます。名前にモモとつきますが、桃とは縁遠く、実のつくりも違います。実は直径1.5~2㎝です。

繊細な珍菓
ヤマモモの熟した実は柔らかく、流通に向きません。『延喜式』(大膳式)の「諸国貢進菓子」では、山城・大和・河内・摂津・和泉という、五幾内各国からだけ貢納されています。長距離の移動ができない果実だったからでしょう。

『有職植物図鑑』より
マサコ アーントによるPixabayからの画像
いただいたヤマモモ すっぱかった

ビワ
(花期は冬)

ビワの学名はジャポニカですが、中国原産で、古代に日本に種子が漂着して定着したようです。奈良時代には栽培され、唐での発音がそのまま和名になりました。葉の形が楽器の「琵琶」ににているので、漢字の王を木に変えて「枇杷」なったと言われます。~平安時代は大内裏に植えられ、果実が熟すとみんなが食べたと『日本紀略』にあります。~もちろん天皇の食膳にも上がり、『延喜式』(内膳式)の規定では5・6月に枇杷十房が用いられました。

『有職植物図鑑』
HansによるPixabayからの画像

ヤマグワ
(カキは4~5月)
クワの仲間の野生種。クワには、蚕の唯一の食べ物になるという、他の植物にはない特性があります。実は粒がキイチゴのように集まった集合果です。甘くておいしいですが、口や舌は紫に染まります。赤い未熟な実が少しずつ黒く熟すので、枝に赤と黒が混じり、二色効果が働いて、鳥が見たときに目立つと同時に一目で熟した実を選べて効率的です。『原寸で楽しむ 身近な木の実・種』より
その他、同じクワ科のカジノキやヒメコウゾも同時期に果実ができます。
葉っぱは3~5に分裂していて(例 モミジ)、成長すると分裂しない葉も出てきます。

Mohamed NuzrathによるPixabayからの画像

いかがでしたでしょうか。
東品川に在住していたころには、街路樹として枇杷とヤマモモを、公園に梅を見つけましたよ。
他の記事に出ている樹木よりは探す難易度が上がるかもしれませんが、ぜひ見つけてみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました