大きな白い花は何?タイサンボクとホオノキ
こんにちは。春から初夏にかけて、木の上に驚くほど大きな白い花を咲かせる木があります。
私が新宿御苑で見つけたのが、タイサンボクとホオノキ。
どちらも、
- 大きな白い花
- 大きな葉
- モクレン科の樹木
という共通点があります。
最初のころの私は、花だけを見てもなかなか区別がつきませんでした。でも、葉や木の性質まで見ていくと、少しずつ違いが分かってきます。
大きな白い花を咲かせる木を見つけたら、タイサンボクかホオノキかもしれません。
この記事では、実際に新宿御苑などで観察した写真とともに、2種類の違いを見ていきます。
タイサンボクとホオノキの違い
まずは、ざっくり見分けるポイントをまとめてみます。
| タイサンボク | ホオノキ | |
|---|---|---|
| 花 | 大きな白い花 | 大きな白い花 |
| 葉 | 厚く、つやがある | 大きく、やや柔らかい印象 |
| 葉のつき方 | 常緑 | 落葉 |
| 原産 | 北アメリカ | 日本など |
| 花の時期 | 5~6月頃 | 5月頃 |
| 特徴 | 香りのよい花、葉の縁が内側に巻く | 葉が非常に大きく、食材を包む用途にも使われる |
花だけを見るとよく似ていますが、葉を見ると違いが分かりやすくなります。
特にタイサンボクは、葉に厚みがあり、表面がつやつやしているのが印象的です。
タイサンボクの花|大きくて香りのよい白い花
5月、新宿御苑でタイサンボクの花を見つけました。

タイサンボクの花は、とにかく大きい。
そして、近づくととてもよい香りがします。
私が初めてこの花を見たときも、大きさと香りの両方が印象に残りました。5月末には咲き始めの花も見られたので、開花時期には少し幅があるようです。
タイサンボクは北アメリカ原産の常緑樹で、日本には明治時代の初め頃に渡来したとされています。公園や庭園などに植えられており、大きなものではかなりの高木になります。
そして、花だけではなく葉も大きい。
葉は厚く、つやがあり、革のような質感があります。タイサンボクを見つけたら、ぜひ花の下の葉にも注目してみてください。葉の縁が内側に巻いていることも、タイサンボクを見分ける手がかりになります。また、常緑樹なので、花の季節にも前年の葉が残っています。
ホオノキの花|葉も花も、とにかく大きい
こちらはホオノキの花。
ただ、花を近くで見ると、タイサンボクとはまた違った印象があります。
私には、花の中心部分が少し不思議で、最初に見たときは「ちょっとグロい」と感じました。そして、こちらも香りがあります。
ホオノキの大きな葉
ホオノキを見つけたら、花だけでなく葉を見てみてください。
ホオノキの葉は非常に大きく、木の葉の中でも「こんなに大きな葉があるのか」と驚くほどです。そして、この葉には日本の暮らしとの面白いつながりがあります。
ホオノキの葉は、昔から食べ物を包むのに使われてきた
ホオノキは、日本の文化とも関わりの深い植物です。
『万葉集』には、
わが夫子(せこ)が捧げて持てるホホガシワ あたかも似るか青き盃(きぬがき)
と、ホオノキの葉を詠んだ歌があります。当時ホオノキの葉は酒の盃に用いられていたことが分かります。ホオノキの葉は、皿として使われており、食べ物を盛る葉のことをカシワと呼んでいました。現在でもホオノキの葉で味噌や塩を包んだり赤飯を盛ったりしているところがあります。朴葉寿司(ほおばずし、ほうばずし)というのもあり、日本の中部地方・近畿地方の一部地域に伝わる郷土料理。岐阜県、長野県、奈良県などに見られるようです。
植物を観察していると、
「この大きな葉は、昔の人にはどんなふうに見えていたんだろう?」
と考えることがあります。
ホオノキの場合、それは単なる「大きな葉」ではなく、食べ物を包み、盛るための身近な道具でもあったのでしょう。
花が終わった後も観察してみる
タイサンボクとホオノキは、花の時期だけでなく、秋にも観察する楽しみがあります。
私も9月に実を観察してみました。
タイサンボクの実
赤く色づく実が見られます。花のときとはまた違った姿になるので、同じ木を季節を変えて見に行くのも面白いものです。

ホオノキの実
花を見て、「大きな白い花だな」と思って終わりにするのではなく、
春から秋まで同じ木を追いかけてみる。
そうすると、植物観察が少し違って見えてきます。
タイサンボクとホオノキを見分けるなら、花より葉を見る
今回、改めて2種類を観察してみて、私は花だけでなく葉を見ることが大切なのだなと思いました。
どちらも、
大きな白い花+大きな葉
という、とても分かりやすい共通点があります。
でも、
- タイサンボク → 厚く、つやのある葉
- ホオノキ → 非常に大きな葉と落葉する性質
という違いがあります。
大きな白い花を見つけたら、花だけでなく、その下にある葉まで見てみる。そうすると、名前を知らなかった植物も少しずつ見分けられるようになります。
新宿御苑で植物を探すなら
新宿御苑では、季節によってさまざまな植物を見ることができます。私自身、春から夏、秋と何度も訪れて、その時々の植物を観察してきました。季節ごとの植物についてはこちらにもまとめています。
日本で見てきた植物観察の記録|季節と場所でたどる
また、「大きな葉」という共通点から植物を探すのも面白いと思います。
同じ頃に見られる白い花についてはこちら。
おわりに
私はどうも、モクレン科の植物に惹かれるようです。大きくて、香りがあって、白い花を咲かせる。その姿には、どこか潔白なものを感じます。
でも、花が終わったあとにも、大きな葉や実が残っている。
植物観察を続けていると、「花を見る」から「一本の木を季節ごとに見る」へ、少しずつ興味が変わってきました。
次にタイサンボクやホオノキを見つけたときには、花だけでなく、葉や実にも注目してみたいと思います。
参考図書
『牧野富太郎植物記5 木の花』








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